朝の歓び 宮本輝
昔買った本、本棚に放置してあったので取り出してみました。
題名がややアンニュイな雰囲気ですが、宮本ワールドらしくどっぷり浸れます。
ここで言う『朝』とは生きている証。
つまり
生きているってことは、朝。
死んでいるってことは、夜―――。
朝とは生きている喜びを表現しているらしい。
ある域を超えた作家の考えは凡人には理解出来ないのか?
題名から内容までは推測は難しいようである。
なので、朝の歓びを訳すと『生きる証』と改名した方が我々凡人には理解しやすく感じる。
内容は主人公江波良介45歳は妻を不治の病で先立たれ、妻の死をきっかけに会社を辞めしがらみを捨て去った男の自由な生き方を描いている。
妻の死後、子供達には内緒で旅に出る。
旅先は能登半島の輪島付近か?
能登半島には妻が生きていた頃に付き合っていた日出子が住んでいる。
らしいというだけで確信はないが、能登半島で良介と日出子は偶然に出会ってしまう。
4年ぶりに再会した二人は以前の様な男女の仲になり、妻の死亡保険金でイタリア旅行に出かけるが、旅先で日出子は新田という男にパリに旅行に来ているとウソの留守番電話を掛ける。
イタリア・ボルターノと言う海辺の街
一方良介の親友・内海は子供の出来ない夫婦二人暮らしだが、愛人との間に子供が出来てしまい、困り果てている。
宮本輝らしい、男女の泥沼化して関係を描いた小説。
日頃の雑務を忘却するためと現実逃避を目的に小説に入り込み、一時でも空想の世界に浸れる時間が持てた事は楽しかったが、、、。
やや、何が言いたいのか不明な点が多いが、ネットでの書評を見ると人生を半島に例えているらしい。
①仕事を辞め日出子に再会した能登半島
②その日出子と旅したイタリアのボジターノと言う半島
人生を定年退職と言う岬に辿り着くために半島を進んでいく事を描きたかったと。
69点位かあ?
合格ラインは70点として、、、。
宮本輝と言う一小説家の生様か粋な男人生か?
宮本輝の小説はこんな話が多い。
こんな生様にこんな粋な人生に憧れたのかも、、、、なんちゃって!
by cho34
| 2016-10-08 21:55
| 本